SPACE COMPASS EN
scroll
Press Release

Space Compassと欧州宇宙機関ESAが衛星間光通信ネットワークの軌道上共同実証の検討に関する覚書を締結

 株式会社Space Compass(以下、Space Compass)と欧州宇宙機関(以下、ESA: European Space Agency)は、それぞれが主導する軌道上衛星間光通信ネットワークシステムの実証プログラムにおいて、相互運用の可能性について検討を進める覚書を締結したことを発表しました。


 Space Compassは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)による「経済安全保障重要技術育成プログラム」に基づき、2022年度より「経済安全保障重要技術育成プログラム/光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」(以下、LAIDENプロジェクト)を主導しています。本プロジェクトでは、低軌道(LEO)衛星による光通信衛星コンステレーションを含むネットワークの構築に向け、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))、株式会社アクセルスペース、日本電気株式会社による協力のもと、実証衛星による軌道上試験を予定しています。この試験には、Space Compassが打ち上げを予定している静止軌道(GEO)衛星との接続も含まれています。

 ESAが主導する「高速光ネットワーク(HydRON)プロジェクト」は、テラビット級の容量を持つ地上ネットワークと統合された「クラウドを超えたインターネット」技術の開発と検証を可能にすることを目指した取り組みです。このプロジェクトは、ARTES 4.0の戦略プログラム「コネクティビティとセキュアな通信である光および量子通信(ScyLight)」の一環として実施されています。HydRONのデモシステムは、カナダのKepler Communications Inc.とイタリアのThales Alenia Space Italia S.p.A.がそれぞれ主導する2つの産業コンソーシアムによって構築されます。

 ESAとSpace Compassは、HydRONプロジェクトとLAIDENプロジェクト、並びにSpace CompassのGEO衛星を含む複数レイヤーでの軌道上光ネットワークに関連する協業の可能性を探ることに合意しました。具体的には、下記を目標とした検討を行います。

1. 技術的な実現可能性を議論し、相互運用性テストを実施する準備
2. 両システム間の相互運用性を検証・確認するための試験計画の策定
3. 共同での軌道上試験の実行


 Space Compassのビジョンである「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」は、革新的な通信・コンピューティング技術を活用して、さまざまな宇宙ネットワークを統合・処理することを目指しています。今回の複数レイヤー間での光ネットワークに関する協力は、当社も参画している高速光通信標準化活動(ESTOL*)とともに、このビジョンの実現をさらに加速させるものです。
*ESTOL: ESAが主導する高速光通信標準化活動。ESA Specification for Terabit/sec Optical Links。


株式会社Space Compassについて

株式会社Space Compassは日本電信電話株式会社とスカパーJSAT株式会社が設立した合弁会社です(代表取締役 Co-CEO 松藤 浩一郎、同 堀 茂弘)。宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築により、持続可能な社会を実現します。この構想の第一歩として、宇宙データセンタ(宇宙における大容量通信・コンピューティング基盤)、宇宙RAN(Beyond5G/6G におけるコミュニケーション基盤)の事業・サービスに取り組んでいます。

https://space-compass.com


本リリースは、NTTグループ各社等が展開する宇宙ビジネスのブランド「NTT C89」およびスカパーJSATの宇宙事業ブランド「JSAT」の取り組みの1つです。

https://group.ntt/jp/aerospace
https://www.skyperfectjsat.space/jsat



欧州宇宙機関ESAが主導するScyLightプログラムについて

欧州宇宙機関(ESA)は、ヨーロッパの宇宙へのゲートウェイを担う機関であり、加盟国の財政的および知的資源を活用し、宇宙プログラムや活動を推進しています。先進的な通信システムの取り組みである(ARTES)の下で、ScyLightプログラムは、衛星通信にイノベーションをもたらす光・量子技術の進展に焦点を当てています。ScyLightは、地上通信ネットワークと宇宙をシームレスに統合することを目的としたHydRONプロジェクトなどを通じて、これらの技術の研究、開発、利用機会を支援しています。ESAは、宇宙での量子鍵配送(QKD)と、既存技術の成熟化を進めることで、セキュアなグローバルコネクティビティ接続が可能な量子通信ネットワークの構築を目指しています。

ScyLightは、民間の製造能力の開発・拡大を支援することで、欧州とカナダの宇宙産業の関係者が市場の好機を生かすための支援を行っています。

https://connectivity.esa.int/optical-and-quantum-communications

プレスリリース「Space Compassと欧州宇宙機関ESAが衛星間光通信ネットワークの軌道上共同実証の検討に関する覚書を締結」